いつもよりずっと、近く

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移ろう影は暗く、耳元に聞く寝息は無闇に健やかで。
ぼんやりと眺める夕陽は見てくれも気にせずに。
気付けば某莫迦一家まであと少し。
だからというわけでもなくて立ち止まった其処は橋の上。


よく食うと噂に聞くチャイナ娘はまるで重力も知らぬように軽く、
掴んでやっていないと飛んでいきそうだ。……いやそれは無いか。
それでもしかしこの温もりは一体どこから授けられたのだろう、
無駄に食う食料が全て熱に変わっているのかもしれない。……いや、それも無いか。


「……沖田」
寝言か否かは考えぬことに。
「何でィ」
そう応えれば小さな身動ぎ。


「寒い」
涎垂らした儘何を、そう思ったことも無いことに。
「風でもひいてシオラシクなりやがれ」
聞こえる寝息、嗚呼、なんて滑稽で誠実な遣り取り。


「寄り添うんならァ寒ィ方がいい」


等と呟いたのはコイツが起きても言ってはやらない。
出るとこも出ないでガキ特有の暖かさは色気も糞も無し。
ところで同じ歳程のガキだってあともう少しは艶もあろうに、
じゅるりと無意識に涎拭うこの莫迦は一体今何を思うのか。


ぼちぼち陽も姿を消して、
過保護な天パがテンパる頃か。
等と下らぬ洒落にでも嗤いながら、
橋を下る俺の脚は、嗚呼、なんて滑稽で誠実な。

（MbP13／如月風花さまより）
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Silversoul NormalCP Festival　+　２　参加作品

お祭の方が（だいぶ前に）終わられたので、アップ。
一ヶ月以上更新なくて、やっとさわったと思ったらまたアップですいません・・・


そ、そしてなんと…！！！！

同じお祭でオトナで魅力的な小説を書かれていた如月風花さまが有難くもあたしの絵に対してコメントをくださり、なななななんとあたしの絵からこんな素敵小説を書いてくださったのですーーー！！！

そりゃあ興奮もしますがな！

見てくれた方の妄想力想像力を働かせられるような絵が描けたらって思っていたので、こんな風に形にしていただけたというのがほんとにうれしい。


でもってここに絵と一緒にアップする許可までくださり…！
如月風花さま、本当に本当にありがとうございます！
これからも宜しければどうぞよろしくお願いしますｖ